ように、岸の上を上流に向って歩きだした。彼らは固まっていた。
 そして小さい影は、彼らの頭の上にかつがれているらしかった。
 春木は、このとき、どきんとした。
「あ、あの家は牛丸君の家だ。……すると、もしや。あの小さい人影は、牛丸君ではなかったか」
 はっきりした理由は分らないけれど、牛丸君も自分も、この間からヘリコプターの賊と因縁《いんねん》がついて、なんだかいつも睨《にら》まれているような気がしてならなかった。
 だから春木は、すぐ牛丸君が誘拐《ゆうかい》されていると、かんづいたわけである。そしてそれはほんとうに正しい観察であった。
 牛丸少年をかつぎあげた怪漢《かいかん》の一同は、それから間もなく白い河原の中へ下りていった。そこには、おあつらえ向きにヘリコプターが上に待っていて、綱《つな》だか縄梯子《なわばしご》だかを下ろしてあった。
 彼らが、その梯子にとりついて、だんだん上へひきあげられていくのが見えた。ただひとり河原に残っていた人影があったが、それは大きな人影であって、牛丸君ではなかったようである。このとき牛丸君は、あの戸倉老人のときと同じように、綱にくくりつけられ、ヘリコ
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