がだんだんこっちへ近づいてくるので、春木は不安になった。ヘリコプターは、このままの方向で飛びつづけると、お稲荷《いなり》さんのうしろの山に、ぶつかるにちがいなかった。春木は、自分がここにいることを、やっぱりヘリコプターに見つけられたかと思ったくらいだ。
 ところがヘリコプターは、お稲荷さんの方までは飛んでこなかった。その途中にある河原《かわら》の上と思うあたりで、得意の空中足ぶみをはじめたのである。
 その河原は、春木のいるところからは右手に見えていたが、その川は芝原水源地《しばはらすいげんち》のあまり水が流れていて、末《すえ》は湊川《みなとがわ》にはいるのだ。
「何をするつもりかなあ」
 と春木は、こわごわ崖の上の木立のかげからのびあがってその方を注意していた。
 すると、河原の向う岸に、四五人の人影が固まって歩いているのに気がついた。彼らは上流の方へ向って歩いている。が、とつぜん彼らはひっかえした。影が長くなった。その先頭に、小さい影が一つ走っていた。
 その小さい影は、ある一軒の家の石段にあがりかけた。とあとの群が、その小さな影の上に重《かさ》なった。
 人影の群は、ふたたび前の
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