上一メートルばかりのところに、闇の中にもはっきり光ってみえる小さい物体があった。しばらく目を定めてみると、それが例の黄金メダルの半分であることが、誰の目にも分った。
「そんなはずはない」と頭目の声。
「あッ、無い。無くなっている、黄金メダルの半分が……。いつ、盗みやがったか」
「おさわぎでない。動けば撃つよ。わたしゃ、気が短いからね」
「何奴《なにやつ》だ、きさまは」
「まっくらやみで、目が見える猫女と申す者でござる。ほらお前さんの大切な黄金メダルが動きだした」
 そのとおりであった。猫女のいったように、黄金メダルは空中をゆらゆらと動きだした。
「手をおだしでない。一発で片づけるよ」
 ふしぎふしぎ、黄金にかがやくメダルは空中をとぶ。一同は、あれよあれよと、その運動を見上げているばかり。
 そのうちに、宙飛《ちゅうと》ぶ黄金メダルは、流星《りゅうせい》のようにすーッと下に下りた。とたんに、扉がばたんと音をたてて閉った。
「あッ」一同は首をすくめた。
 と、頭目の大きな声が、出入口のところで爆発した。
「ちえッ。逃げられた。戸の向こうで、鍵《かぎ》をかけやがった。おい明かりをつけろ。懐中
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