体のような女だといわなければならない。
「いよいよ、こっちの用事だが」と女の声はいやに落ちつき払っている。
「おい、頭目さん、お前さんの大切にしている黄金メダルの半分をあっさりわたしに引き渡しておくれ。いやとはいわさないよ。早く返事をしてもらいたいね。おやおや、お前さんはなんてえ情《なさ》けない顔をするんだろう。わたしにゃ、紗の三重ベールなんか、あってもないのと同じこと、お前さんの素顔《すがお》が、ありありと見えているんだ」
 暗闇で、ものが見える目を持っていると自称《じしょう》する女であった。こういわれては、四馬頭目もぺちゃんこだ。
「うそだ。見えてたまるものか」頭目の声がした。腹立たしさと恐怖とに、語尾がふるえて聞える。
「まあ、そんなことは放っておいて、おい、頭目。早く黄金メダルをおだしよ。おい、返事をしなさい返事を……」
 頭目の声が、しばらくして聞えた。
「ばかをいえ。誰がだすものか」
 すると、くくくくッと女が笑いだした。
「お前さんも間ぬけだねえ。そんなことをいう前にお前さんの頭の上を見るがいい。みんなも見るがいい」
「なにッ」頭目は上を見た。
「あッ、あれは……」彼の頭
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