のすみでふるえあがった。
春木少年はいままで一度も、四馬頭目にあったことはない。しかし、異様《いよう》なその風態《ふうてい》は、牛丸平太郎からなんども聞かされていた。鬼にもひとしい四馬頭目の残忍《ざんにん》ぶりは、戸倉老人や牛丸平太郎から、耳にたこができるほど聞いていた。
その四馬頭目が、警官たちに包囲された、万国堂の天窓から、忽然として現れたのだ。春木少年はびっくりすると同時にあっけにとられた。四馬剣尺はいままでどこにかくれていたのだろう。いやいや、それにもまして不思議なのは、猫女や小男はどうしたのだろう。……
春木少年が茫然《ぼうぜん》として、窓のなかに立ちすくんでいるとき、万国堂の屋根に立った四馬剣尺、かくし持った懐中電気をうえに向けると、虚空に三度輪をえがいた。と、同時に、ヘリコプターからバラリとおりてきたのは一条の縄梯子《なわばしご》。四馬剣尺はヨタヨタとその縄梯子に手をかけた。
ああ、このまま捨てておけば、四馬剣尺は逃げてしまう。……
春木少年はたまらなくなって、窓から乗りだして大声で叫んだ。
「ああ、警部さん、こっちです、こっちです。悪者《わるもの》は屋根のうえ
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