わらずまっくらだ。ああ、いま、万国堂の奥では、どのようなことが行われているのであろうか。
春木少年は爆音のちかづく空のかなたと、万国堂のくらい天窓《てんまど》とを、手に汗にぎって見くらべていたが、ちょうどそのとき、警部の一行が到着したらしい。
万国堂の表と裏から、けたたましくドアを叩《たた》く音とともに、
「開けろ、開けろ、ここを開けんか」
と、怒号《どごう》する声がきこえた。
「ああ、有難い、警部さんがやってきた……」春木少年はにわかに気のゆるむのをおぼえたが、そのとき空のかなたから忽然《こつぜん》として現われたのは、見覚《みおぼ》えのあるヘリコプター、しかも進路は万国堂の方向である。折からの半月《はんげつ》を翼《つばさ》にうけて、ゆうゆうとしてこちらへちかづいてくる。
下では警部の一行が、万国堂の表と裏からしきりにドアを叩いていたが、なかから返事がないとみるや、もうこれまでと、ドアをぶっこわしにかかった。しめた! もうこうなれば袋の中の鼠《ねずみ》も同然、あの奇怪な小男も猫女も、逃出すみちはどこにもないのだ。
春木少年はほっと胸を撫《な》でおろしかけたが、いやいや、安心す
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