の周囲を見張っていてくれ。しかし、くれぐれもいっておくが、よけいなことに手をだすな。われわれがいくまで待っているんだぞ」
「承知《しょうち》しました。できるだけ早くきてください」
電話をきって春木少年、警部の言葉を一同につたえていたが、何思ったのか、急にはっと顔色をかえた。
「どうしたの、春木君、何かあったの?」
横光君が不思議そうに訊《たず》ねるのを、しっとおさえた春木少年。
「牛丸君、あれ……あの物音……?」
「なんや、あの物音……」
牛丸平太郎もギョッとして、春木君といっしょに耳をすませたが、にわかにガタガタふるえだした。
ああ、聞える、聞える、ブーンブーンと竹トンボを廻すような音。たしかにヘリコプターの爆音《ばくおん》なのだ。しかも、しだいにこちらへちかづいてくる。
「田畑君、電気を消してくれたまえ」田畑君が電気を消すと、応接室のなかはまっくらになった。
「春木君、どうしたの。あの物音はなんなの?」
暗闇のなかで小玉君が、不安そうに訊ねた。
「ヘリコプターだよ。ほら、いつか牛丸君を誘拐《ゆうかい》していった。……」
「ああ、六天山塞の頭目《とうもく》が持っているという
前へ
次へ
全242ページ中207ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング