あやしくも、風変りな店のなかを覗いていたが、ふいに春木少年がギュッと力強く、牛丸少年の腕をにぎった。
「ど、どうしたの」
「しっ、静かに! あの大花瓶をごらん」
押しころしたような春木少年のささやきに、牛丸平太郎もなにげなく、花瓶のほうへ眼をやったが、そのとたん、ゾッとするような恐ろしさが背筋をながれた。
ああ、見よ! 大花瓶につめてあったセメントが、ポッカリ中から押しのけられると、その下から、ニューッと一本の腕がでたではないか。
「あっ!」牛丸平太郎は危《あやう》く叫び立てるところを、急いで口に蓋《ふた》をした。
大花瓶のなかに誰かいるのだ。そしてそいつがいま、花瓶のなかからでてこようとしているのだ。
二少年の胸はドキドキ躍った。額からビッショリと汗が流れた。二人は夢中になって、天窓のわくにしがみつき、眼を皿のようにしてチャンウーの店をのぞいている。
大花瓶のなかからは、また一本の腕がでた。そして、二本の腕は、しばらく花瓶のふちを握ってモガモガしていたが、やがて、軽業師《かるわざし》のように、ヒョイと花瓶のふちへ這いのぼったのは、ああ、なんということだ!
それは世にも不思
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