いくと、たちまち捕えられて、容疑者になってしまうよ。そしたら、いつ娑婆《しゃば》へでてこられるか分りゃしない」
先生がおそれるわけは、もっともであった。しかし春木少年は、警察にこの話をしてもいいと思った。そして店の飾窓にあったその黄金メダルを、自分にかえしてもらうには、早く話をした方が有利だと考えた。
この考えを話すと、先生は困ってしまった。
(しまった、とうとうまたおしゃべりをしすぎた。さっきあんなに立花先生からいましめられていたのに、それを忘れて又しゃべった。下手をすると、自分は参考人か容疑者《ようぎしゃ》として警察へ引っぱられるかもしれん。これは困ったことになった)先生の悄気かたはひどかった。
きびしい尋問《じんもん》
「頭目《かしら》。いったいどこへいってたんです。この二日というものは、頭目を探すので、大骨を折りましたぜ。しかも連絡はつかないじまい。骨折り損のくたびれもうけです」
四馬剣尺《しばけんじゃく》が、どっかと腰をかけた頭目台《とうもくだい》の前へいって、この山塞《さんさい》の番頭格の木戸が、うらみつらみをのべたてた。木戸は、よほど骨を折ったものと見
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