とになったものだ」
先生はそこで頭をひねって、しばらく沈黙したが、やがてあたりへ気をくばり、低い声でいった。
「春木君。先生は昨日、君がとられたという黄金メダルの半ぺららしいものを、海岸通りの横丁の骨董店の飾窓の中に見かけたよ」
「ええッ。先生、それはほんとうですか」
「ほんとうかどうか、とにかく君が今話をした三日月形《みかづきがた》の黄金メダルというのによく似ていた。君の話では、お稲荷《いなり》さんのお堂に住んでいた男が、あの店へ売ったんじゃないかな」
「あッ、それにちがいありません。先生、その店はなんという店ですか。どこにありますか。教えて下さい。これからぼくはすぐいって、取返してきます」
こんどは春木少年の方が、大昂奮してしまった。
「待ちたまえ、春木君。その店の老主人は昨日何者かのためにピストルで殺されてしまったんだよ。今朝の新聞を見なかったかね」
「ああッ。そうか。すると今朝の新聞にでかでかと大きくでていたチャンフー号主人殺しというのはこの店ですね」
「そうなんだ。だからね、今はその筋で殺害犯人を見つけようと鵜《う》の目|鷹《たか》の目でさがしているから、君なんかうっかり
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