える。
「ふふン」四馬は、かるく笑っただけであった。
「こんどからは、なんとかたしかな連絡の道を用意しておいていただかないと、万一のときにわしは、この山塞を持ち切れませんよ」木戸は久しぶりに腹を立てているらしい。
「大丈夫だ。万一のときは、おれがとびこんでくるから、心配はいらねえ」
「こっちから知らせたいことがあっても、それができないとすれば、結局頭目の大損害じゃないですか」
「すると、なにかおれに知らせたいことがあったんだな。それは何だい」
「わしではないんです。机ドクトルが、何か見つけてきたんです。それが三日前のことで、ドクトルは町へいったんです」
「ふーン。三日前のことか」
頭目は、ベールの中で、日を逆《さかさ》にかぞえているようであった。
「チャンフー殺しのあった日のことだな」
「そうです。あの日の午後、ドクトルは息せき切ってここへ戻ってきましてな、『頭目はどこにいる』と食いつくようにいうんです。どうしたのかと訊くと、『一刻も争うことだ、頭目の耳に入れたいことがある』という。なんだと聞きかえすと、『黄金メダルの半ぺらが、海岸通りのある店の飾窓に売りにでている』というんです。わ
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