お話は、もう聞きたくありませんわ」
「金谷先生のいうことに、連れの立花先生がうしろにこわい顔をして立っているものだから、ついにはいるのをあきらめたといってますよ」
「えッ」と立花先生はかたい顔になって金谷先生の方に向き直ったが、すぐ顔を和《やわら》げ、
「金谷先生。よけいなおしゃべりをなさるものじゃありませんわ。かかりあいがあると思われて、警察へひっぱりだされるようなことがあったら、つまらないじゃありませんの」と、かるくたしなめた。
「まいった。これは一本まいりました。今までのおしゃべりは取消しだ」
と、金谷先生はすっかり悄気《しょげ》てしまった。それがまたおかしくてたまらないと、同僚たちは腹をかかえて笑った。
金谷先生は、てれくさくなって、ひとりその座を立って、運動場へでていった。運動場では、早く登校した生徒たちが、元気にはねまわっていた。
「金谷先生」先生は、自分の名前をよばれて、はっとわれにかえり、その方を見た。
四人の少年が、そろって、前へ近づいた。その中には春木少年の顔が交《まじ》っていた。その外に、小玉《こだま》君、横光《よこみつ》君、田畑《たばた》君の三少年がいた。
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