ましたね。そういえば、福々《ふくぶく》しい顔なんだけれど、どことなくきついところがあったな。やっぱり自分の悲惨な運命が、人相にあらわれていたんですよ」
 こんな風に話すものだから聞き手の先生がたは、もっとくわしいことを聞きたがった。
「いや、それだけのこと。ぼくは、中へはいって見ようかと思ったんですが、連れの立花《たちばな》先生がいやな顔をしているので、それはやめましたよ。あのときはいっていれば、もっと諸君におもしろい話ができたんだがなあ」
 金谷先生がそういうと、聞手《ききて》の先生たちはみんな笑った。
 そこへ立花先生がはいってきた。
「まあ、みなさん、なにをそんなにおもしろがっていらっしゃるんですの」と、にこにこしてたずねた。
「あはは。金谷先生が、例の殺されたチャンという万国骨董商《ばんこくこっとうしょう》の店を、昨日のぞいたというんです」
「まあ、いやなことですわ」
 と、立花先生は、美しい眉《まゆ》をひそめた。
「金谷先生は、あの店主が殺されると分っていたら、店の中へはいって、しげしげと見てくるんだったなどというもんだから、みんなで笑っていたところなんです」
「気味のわるい
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