れど、一生けんめいに三次元世界の方へ泳ぎついて、今それにつかまっているところなのよ」
「ああ、それで僕たちの眼に雪子姉さんの姿――いや姉さんの幽霊の姿が時々ぼやけながらも見えているわけね」
「そうなの。そしてあたしは三次元世界につかまっているんだけれど、とても苦しくて、この上いつまでもつかまっていられそうもないわ。あたしの体力がつきてしまったら、ああそのときはあたしは完全に四次元世界の中へ吹き流されてしまって、再び三次元世界に近づくことはできなくなるでしょう。道夫さん、どうかこの哀れなあたしを救ってよ」
 雪子は涙と共に、悲しい声をふりしぼった。
「ええ、僕にできることなら、何でもしますよ。どうしたら雪子姉さんを救えるのでしょうか」
「ありがたいわ、道夫さん。ようやく薬品の配合比も計算したし、その薬品を集めることもできたの。あとはそれを使って、貴重な薬品を合成すればいいの。あたしは早速《さっそく》この部屋でその仕事を始めたいのよ。さあ、手伝ってちょうだい」
「どうすればいいの」
「そのブンゼン灯に火をつけてみてよ」
「はい。つけましたよ。それから……」
「ああ、とうとう火がついた。まあ
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