やく雪子のいっていることがわかりかけたように思った。
「じゃあ、僕たちが幽霊だと思っているものは、死んだ人の魂《たましい》でもなんでもなく、四次元世界のものが、僕たち三次元世界にひっかかって、その切口が見える――その切口を幽霊と呼んでいるんだ。そういうんでしょう」
「まあ、大体そうですわ。道夫さんのことばをすこし訂正するなら、幽霊の中にはそういう幽霊もあるといった方が正しいでしょう」
「すると雪子姉さんはいったいどうしたわけなの。雪子姉さんは今幽霊でしょう。すると雪子姉さんは四次元世界の生物ですか。そんなはずはないや。僕たちは三次元世界の生物なんだから、四次元生物ではない。そうでしょう」
 道夫はたいへんするどい質問を、雪子学士になげつけた。
 雪子学士の顔が、急に赤くなったようである。雪子は何と返事をするであろうか。
「そうですわ。あたしは三次元世界の生物であって、決して四次元世界の生物ではありませんわ。でもあたしは、今、四次元世界に住んでいるんです」
「でも、三次元世界の僕にも、雪子姉さんの姿がちゃんと見えますよ」
「それは見えるでしょう。あたしは四次元世界を漂流している身の上だけ
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