四次元漂流
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)只《ただ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)十|糎《センチ》くらい
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)あれ[#「あれ」に傍点]
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はじめに
この「四次元漂流」という妙な題名が、読者諸君を今なやましているだろうことは、作者もよく知っている。
だが作者は、この妙な題名について、今何よりも先に、それを説明することはしない。だから読者諸君は、ここしばらくの間、この妙な題名についてなやまされるであろう。読者諸君が、さようになやんでいるのを、作者は意地わるい微笑をうかべて、悪魔じみた楽しさを只《ただ》一人味わいたいつもりではない。いや、それとは反対に、読者諸君の興味を最も大きくしたいために、今はわざと何も説明しないのだ。
この小説が先へ進むに従って、「四次元漂流」という題名の謎は、おいおいと明らかになってくるであろう。そしてその時こそ、諸君はこれまでに聞いたことのない不思議な世界にふみ入っている御自分を発見することであろう。大きなおどろきと、すば
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