本ではなく、二百あまりの骨片が組立てられたものであるが、その二百あまりの骨片が、それぞれひとりでにおどりだしたのである。それとともに全身がへんな気持におそわれて、眼がまわった。それから胸がむかむかして、げろげろとやってしまった。
その苦しさに、道夫は大きな声をだそうとしたが、なぜかでなかった。また、ちょっと身体をうごかしても、反射的にはげしい痛みが起った。それはまるで自分の身体を、刃物にこすりつけて引き斬るようであった。
道夫は、低くうなりながら(それがせい一ぱいであった)その苦しみと痛みを相手にたたかった。一秒、二秒、三秒。道夫は、これは死ぬんじゃないかと思った。
と、とつぜんすうっと身体が軽くなった。今までおどり狂っていた全身の骨片がぴたりとしずまった。あやしげな不気味が、夕立の後で雲が風に吹きとばされてしまったように、なくなった。身体が急に軽くなった。
「ああ、苦しかった」
道夫は、ぱっと眼を開いた。
「あらあら、あたしが命令しないのに、眼をあいてしまったのね」
と、雪子がいった。雪子は道夫のうしろからあらわれ、前にきた。
「雪子姉さんは、後からぼくをかかえていたんでし
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