まりそれは学問の力によることだ。もし君が欲するならば、僕はいかなる手段によってでもその答を探し出してあげようと思う。そう気を落したものでもないよ」
「分る方法があれば、どんなことをしてでも探しだしていただきたいわ。妾、これが分らないと死んでも死に切れないと思うのよ」
と妾は切《せつ》なる願いを洩らした。それは自《ひとりで》に妾の口を迸《ほとばし》り出でた言葉だったけれど、このとき云った、(どんなことをしてでも探しだしていただきたいわ)という言葉が、後になってまさか大変な妾への重荷になろうとは露ほども気がつかなかった。それがどんなに恐ろしい重荷となったかは、この物語の進んでゆくに連れ、だんだんと明白になってくることであろう。
「でも可笑《おか》しいわネ。女探偵の速水さんは、徳島へ行って、静枝という妹を探して来たのよ。安宅へ行ったところ何もかも苦もなく分ったようなことを云ってたけれど……」
というと、貞雄は首を振って、
「どうもその女探偵というのが怪し気だネ。これから一度行ってみると分るだろうが、いまそんなに簡単に分る筈はないと思う。それから『海盤車娘』の真一君の死因だが、これなどは随
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