なるほど、通信員が、レーダーの電波の反射を見ている。
「あ、一つ来ますよ。すぐ近くまで落ちて来ています」
 と、その通信員がいった。
 そのことばが終るか終らないうちに、正吉は思いがけないものを見た。目の前の山の頂きが、とつぜんぱっと赤く光ったのである。
「あッ、隕石が山にぶつかった」
 カンノ博士の声。正吉は息をのんだ。
 隕石のぶつかった山頭から雪崩のように隕石が崩《くず》れ落ちるのが見えた。どれが隕石やら、月山のかけらやら見分けがつかない。
「まあ、よかった。ここへ落ちて来なくてよかった」
 カンノ博士は吐息《といき》をした。
 通信員がレーダー観測の結果を知らせて来た。
「隕石はもう見あたりません」
 もう大丈夫だ。カンノ博士はマルモ隊長にそれを報告した。
「作業班、出発用意」
 作業班の人々は、急いで空気服をつける。カンノ博士もマルモ隊長も、空気服をつけた。正吉少年もつけた。キンちゃんが正吉のそばへ来て笑う。
「人間がイカに化けたようだなあ。銀色の大イカだ。月の怪物があんたを見つけたら、これはごちそうさまといって、手足をむしって、ぱくぱくたべてしまうぜ。こわい」
 正吉はふ
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