いくだけだった。
「ふーン。どうも気がへんになりそうだ、しょうがない」
正吉は、そういって、頭を抱《かか》えることが初めのうちはよくあった。
料理番のキンちゃんと来たら、その理屈がさっぱりのみこめないので、正吉ほどにおどろいていなかったようである。
こんな話は後の話だ。さて九台の装甲車は、みんなロケットの外に出た。
無電の命令が伝えられる。
と、一号車を先頭にして、九台の装甲車は月の上を走り出した。どこへ行くのであろうか。
それはともかく、こうして走っていると、地球の、どこかの沙漠を夜、走っているのと大して気分がちがわない。
意外な発見
二時間ばかり走って、装甲車は停った。
前に、ひどく高い山が見える。山頂《さんちょう》がきらきらと輝いている。
「どうするんですか。下りるんでしょうね」
正吉がカンノ博士にきいた。
同じ車に乗っている他の人たちの中には、空気服を着はじめた者もあるから、正吉は、ははあと察《さっ》したのである。
「下りることは下りるが、その前に隕石がとんでいないかどうかをレーダーで調べておく必要がある。今、あそこでやっているのが、そうだ」
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