たが、そのときね、からだはふわッと地面へあたりやがるんだ。ちっとも痛かないんだから、妙《みょう》てけりんだ」
「地球の上なら、さっそく鼻血を出したところだろうね」
「おっと、さあ来たよ。なるほど、この大木め、いやにぶかぶかしているよ。これなら料理すれば食えるね。すこし切って持っていこう」
キンちゃんは、小刀《こがたな》をだして巨木の幹《みき》を切り取ったり、枝や葉を切り落したりして、料理に使うだけのものを集めだした。正吉は、それを見ているのには退屈して、林の中へどんどんはいっていった。すると、池のふちへ出た。池というよりは、沼地といった方がいいかもしれない。それは正吉にとって、めずらしい風景だった。
巨木が重なりあって生えている。池のふちには、きみょうな形の葉がはえしげっている。水はどんよりと赤い。その水の中に、何か泳いでいる。小さな魚のようでもあり、そうでなく両棲類《りょうせいるい》か爬虫頚《はちゅうるい》のようでもある。それがモの下から出たりはいったりしている。
「おやッ」
正吉は、とつぜん声をあげた。彼はあやしい大きな魚を見つけたのである。大きさは正吉ぐらいある魚が、大きな
前へ
次へ
全146ページ中120ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング