こまで運がわるいのだろうと、正吉は失望した。しかしよく考えてみる。それは運がわるいのではなくて、そういう場合も考えにいれてこのロケット宇宙艇の設計をしておかねばならなかったのではなかろうか。つまり設計の不完全だ。失敗だ。いく隻《せき》もロケット宇宙艇をこしらえても、完全なそれをこしらえ上げるには、技師たちはまだ勉強をしなくてはならないのだろう。ことに、机のうえで頭をひねるだけではなく宇宙旅行の経験をつんだマルモ・ケン氏のような人から、実地の話をよく聞いて、それを土台にして設計をしないと完全なものは出来ない。
乗組員の煙の中をくぐっての一生けんめいな努力によって、モーターの配線が、あたらしく張られた。それで気密扉が下りるようになった。
それが下りると、火災の方もやや下火となった。しかしまだときどき小爆発をするので安心はならなかった。
幸いにも、火星への距離はいよいよ近くなり、着陸まではまず持ちこたえられることが分かって乗組員たちの顔も大分明るくなった。
ロケット宇宙艇新月号が、火星に着陸したのは、月世界をとびだしてから、ちょうど三ヶ月と二日目だった。火災のために到着がすこしくるっ
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