がしたほどの深い月人の秘密については、今まで知らなかったのだ。
「そうだ。さっき話したトンネルと回転扉の数珠《じゅず》つなぎだ。第一の回転扉の次に、またトンネルがあり、その先に、また第二の回転扉があるという風に、少なくとも第五の回転扉を経《へ》なければ、月人の居住区へは達しないのだ。わたしは、その居住区に永い間暮していたんだ」
「おお、モウリ博士」
「月人は空気をあまりに大切にするあまり、月世界の表面へ出ることも、たいへんいやがる。だから、知能は、われら地球人間よりもすぐれているところがあるし、地球にない貴重な資源を豊富に持っているのに、彼らは一台の飛行機さえ持っていないんだ。だからこのロケットが、月世界を離れて飛びだしさえすれば、あとは月人に追いかけられて危険な目にあうというようなことはないわけだ」
「ああ、そうですか。それを聞いて、たいへん安心しました」
 マルモ隊長も、はじめてにっこり笑った。


   見え出した火星


 火星へ、火星へ――
 ずんずんとロケット新月号は、大宇宙を進んで行く。
 月世界を離れたとき、火星への距離はだいたい七千万キロだった。
 三ヶ月ほどの進空《
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