戦によりまして労農ロシア軍を、興安嶺《こうあんりょう》の彼方遠く撃退することが出来ました。それから、米国の大艦隊に従い、日本へ攻め寄せて来た二千台の大空軍はどうなったでしょうか。又アラスカ半島から襲来して参りました大飛行船隊はどうなったでございましょうか。それは、わが陸海軍の航空隊と、私達の持って居ります愛国防空隊との活躍によって多大の損傷《そんしょう》を与えることが出来ましたが、しかし最後の一戦を挑《いど》んで帝都へ押寄せて来ました飛行船飛行機の数は、無慮《むりょ》一千五百機。これを撃破するには、あまりに手薄いわが空軍の勢力でございました。ところが、皆さんが唯今帝都の上空に於て、親《した》しく御覧になりましたとおり、あの巨人のようなロスアンゼルス以下の飛行船も、ボーイング、カーチスの優秀飛行機も、ボール紙が燃えるように一瞬の間に焼け落ちてしまったのでございます。ああ、これは何という奇蹟でございましょう。しかし皆さん、これは奇蹟などという馬鹿げたものではございません。これこそ吾が科学界の明星《みょうじょう》、戸波博士の御発明になる怪力線《かいりょくせん》の偉力《いりょく》でございます。
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