ょう》に、何だか見慣れない奇妙な形の器械が、クルクルと廻転しているのが見えた。そうだ。佐世保《させぼ》軍港で、得態《えたい》の知れぬ兵器を搬入《はんにゅう》したことがあったが、あれに違いない。
ああ、新兵器、怪力線!
皇国《こうこく》は美事に救《すく》われた。
怪力線の発明者は誰だ。
千手《せんじゅ》大尉は、旗艦陸奥を呼ぶために、短波のラジオ受信機のスイッチを入れた。
するとどうした具合であったか、感激に満ちた若い女性の声が聞えて来た。
「おや、この戦争の真唯中《まっただなか》だというのに、婦人が一体何を放送しているのだろう?」
人一倍、呑気《のんき》ものの千手大尉は、それをよく聞いてみるつもりで、ダイヤルをグッと廻した。厚い飛行帽の中にとりつけられた受話器には、手に取るような、その女性の言葉が聞えてきたのだった。
「――皆さん、わが帝国は、遂《つい》に勝ちました。さしも世界に誇った米国の太平洋大西洋の聯合艦隊も、わが海軍の沈着な戦闘によって、半数は、太平洋の海底深く沈み、残りの半数は戦闘力を失い、或は白旗《はっき》をあげて降服いたしました。遠く北満ではわが精鋭なる陸軍の奮
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