砲熕《ほうこう》の前へ、ノコノコ現われて、敵弾から受けた損傷の程度を調べに行った水兵があった。
一番砲手も、二番砲手も、皆倒れてしまうと、その後から信号兵が一人現れて、不慣《ふなれ》な砲撃を続けたという話もあった。
だが、どうにもならなくなったのは、敵の空軍の圧倒的|偉力《いりょく》だった。
敵艦を沈没させるのは自信があったが、敵機を射ち落すことは、中々うまくゆかなかった。そのうちに、味方の飛行隊の隙《すき》を覘《ねら》って押し寄せた爆撃隊から、多量の爆弾が切って落されると、偉力《いりょく》を誇る十六|吋《インチ》砲も、飴《あめ》のように曲ってしまった。
この調子が永く続くと、敵艦隊を圧迫した我が艦隊は、遂《つい》に反対の悲運に陥《おちい》らなければなるまいと思われた。
「見ちゃいられんな」陸奥《むつ》の艦上三千メートルの上空に、戦闘機を操縦し、防戦につとめている千手大尉が舌打ちした。
「いまいましいメリケン空軍の奴原《やつばら》だ」
その慄悍《ひょうかん》なる敵機の一隊は、目標を旗艦|陸奥《むつ》に向けて、突入してきた。
「やってきたなッ。吾輩の射撃の腕前を知らないと見える
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