ら空高く舞い上った。
白日《はくじつ》の下《もと》の大空襲!
二千機に余る精鋭なる米国空軍の襲来!
十五万|瓩《キロ》の爆弾を抱えた悪魔空中艦隊!
この大空襲の報を耳にした帝都の住民の顔色は、其の場に紙の如く青褪《あおざ》めたであろうか。
否《いな》! 否!
先の空襲で、全市に亙《わた》る爆撃をうけたときは、覚悟していた以上の惨害《さんがい》を蒙《こうむ》ったので、一時は気が変になったほどだった。しかし、自分の懐かしい家は無くなり、美しい背広《せびろ》も、丹精《たんせい》した盆栽《ぼんさい》も、振りなれたラケットもすべて赤い焼灰《やけばい》に変ってしまったことがハッキリ頭に入ると、反《かえ》って不思議にも胆力《たんりょく》が据《すわ》ってきた。
こうなったら、非戦闘員も、戦闘員もあるものか。男も女も無い。子供も老人もない。障害者も病人もない。銃の引金を引く力の残っている者は、銃をとって前線に出ろ! 防毒薬のバケツを下げる力のある者は、救護班に参加しろ!
――こうして、第一回の空襲によって大和魂《やまとだましい》を取戻した市民たちは、眼の寄るところへ玉《たま》の比喩《たと
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