中から助け出されていた。
「やッ」どこに隙間《すきま》を見出したのか、「狼」は大尉の脇の下をくぐって、猛然と博士の方へ飛び掛った。
「なにをッ」山太郎が横合いからムズと組付いた。
この機会を外《はず》してはというので「狼《ウルフ》」の配下は、一度に反抗してきた。最早《もはや》機関銃もピストルも間に合わなかった。敵味方は肉体を以て相手の上に迫って行った。
乱闘、又《また》、大乱闘。
どこから飛んで来たのか、乱闘の現場に近く、一台の偵察機が、低く舞《ま》い下《さが》って来た。誰も気付かぬ裡《うち》に、機体からスルスルと、縄梯子《なわばしご》が下ろされ、やがて飛行服に身を固めた人が、機上から姿を現わすと、一段一段と、梯子を下りて行った。とうとう一番下の段まで来たときに、上を向いて合図をした。
この不思議な飛行機は、宙乗りの人物を釣り下げた儘、乱闘の真唯中《まっただなか》を目懸けて、いよいよ低く舞い下ってきた。プロペラを急に停めたのは、速度を下げるためだと思われたが、何という大胆な振舞《ふるまい》であろう。一体、何をしようというのか。
敵も味方も、突然飛びこんで来た怪物に、ソレと気が
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