の代りに、四五人の怪漢が、ドッと飛び出して来た。言わずと知れた「狼《ウルフ》」の配下の者だった。
「狼《ウルフ》」も運転台から、泥まみれになって降りて来た。その手には、ブローニング拳銃《ピストル》を握って、こっちを睨《にら》んで立った。
こっちには、後藤運転手の手に、軽機関銃《けいきかんじゅう》が握られていた。
「手をあげろッ」大尉は怒鳴《どな》った。
いくら大胆不敵な者共《ものども》であっても、機関銃には叶《かな》う筈が無かった。彼等は、静かに手をあげた。
「オイ狼《ウルフ》」大尉は降服者の前に立った。「いよいよお気の毒な運命になったネ。ところで戸波博士を渡して貰いたい」
「戸波博士は亡《な》くなられた」狼《ウルフ》が沈痛な面持をして答えた。
「えッ、博士は亡くなられたというのか。帝国の運命は、遂《つい》にああ……」
「莫迦を云うなッ、卑劣漢《ひれつかん》」狼《ウルフ》のうしろから帆村が怒鳴《どな》った。
「大尉どの、博士は健在です。牛乳車の奥に、監禁されていましたぞォ」
「なに、博士が……」
なるほど頤髯《あごひげ》に見覚《みおぼ》えのある戸波博士が、帆村の手によって牛乳車の
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