三等水兵が、真赤な顔をして上ってきた。
「閣下、本艦は日本潜水艦に、舵器《だき》を半数破壊されました。従《したが》って速力が半分に減じまするから、至急、隣に居りますソルトレーキへ御移りを願います」
「なに、本当に潜水艦か! おお、あすこの水面へ浮び上った。呀《あ》ッ、イ型一〇一号※[#感嘆符疑問符、1−8−78] すると曩《さき》にカリフォルニアの沖合で、襲来した自由艦隊の生き残りじゃな。あのとき一〇一号は射ち止めたと思ったのに……」
「閣下、お早くねがいます」
「莫迦《ばか》なことを云え。砲術長は何をしているのじゃ。あの潜水艦を、何故早く射撃しないのじゃ。あれがマゴマゴしている裡《うち》に、旗艦移乗《きかんいじょう》なんて、どうして出来るものか」
司令塔の外へ出てみると、混乱は更にひどかった。主力艦の列を、背後から不意に、まったく勘定に入れてなかった幽霊潜水艦隊から攻撃をうけたものであるから、驚くのも無理ではなかった。
ひょっくり現れた伊号一〇一潜水艦は、大胆不敵にも、大混乱を始めている主力艦の後方に浮び上り、永らく中絶していた味方の艦隊との連絡をつけるために、搭載《とうさい》し
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