米軍の警戒も、完全にやっているせいもあるが、そこへ持ってきて、此の海戦地点たるや日本の海岸を去る七百キロという近さじゃ。ちょいと手を伸ばせば、日本の本土に手が届く。艦上機も、着艦の心配は無用じゃ、一と思いに、日本の飛行場を占領して降りればよい」
「ですが、閣下、日本の飛行場は、到底《とうてい》我等の飛行機全部を収容しきれんだろうと考えますが……。例えばハネダ飛行場にしましても……」
ここまで喋《しゃべ》ってきたとき、けたたましいベルが鳴り渡ると共《とも》に、コロラドと書いた名札の下に、赤いパイロット・ランプが点いて、専属高声器が、周章《あわ》てふためいた人声を発した。
「提督閣下《ていとくかっか》。わがコロラドは、急速に沈下しつつあります。機雷に懸ったものか、魚雷を受けたものか、附近の兵員からの報告がありませんので、目下取調べ中であります」
「なに、コロラドが、沈没を始めた。何を油断していたのじゃ」
そこへまた、チリリリリとベルが、鳴って、其の隣りのウェスト・バージニアのところに、赤いランプがついた。
「こちらは、ウェスト・バージニアです。唯今潜水艦から、魚雷を喰ったようであります
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