》く三万五千メートルの射程《しゃてい》に入ろうとして、専《もっぱ》ら注意力を、前方に送っていた。
旗艦《きかん》セントルイスの司令塔の奥深く、聯合艦隊司令長官ブラック提督《ていとく》は、移りゆく戦況を、主要なる艦艇から送られているテレヴィジョンによって、注目していた。
「戦況を、五分五分に保ち得ているところを考えると、最後の勝利は、わがアメリカに在ることが明瞭《めいりょう》じゃ」提督は静かに幕僚《ばくりょう》を顧《かえり》みて云った。
「同感申しあげます、我等の閣下」
「わが空軍の活躍は、アクロン号、いや、こいつは、間違った――ロスアンゼルス、バタビウス、サンタバーバラの飛行船隊と合《がっ》することによりて、絶頂に達することじゃろう。この空軍だけでも日本全土を、征服してしまうことは、訳のないことじゃ。艦隊の主力たる我が艦列の、彼に勝《まさ》ること一倍半なることは、此後《このご》の戦況に、大発展を予約しているものじゃ。要するに日本海軍というも、日本人というも、栄養不良のヒステリー見たいなものだ。布哇《ハワイ》を見い。あれだけの日本人が居ってグウの音も出ないじゃないか。尤《もっと》も我が
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