には、攻撃機が、今にも飛び出しそうな姿勢で、海面を睨《にら》んでいた。
 艦橋の上に、器用に足を踏まえている信号兵は、目にも止まらぬ速さで、手旗を振っていた。
 高い檣《ほばしら》の上からは、戦隊と戦隊との連絡をとるために、秘密の光線電話が、目に見えない光を送っていた。
 ぶるン、ぶるン、ぶりぶりぶり――
 航空母艦の飛行甲板からは、一台又一台と、殆んど垂直の急角度で、戦闘機が舞い上ってゆくのであった。灰白色《かいはくしょく》の機翼に大きく描かれた真赤な日の丸の印が、グングン小さく、そして遠くなって行った。
 一隊又一隊と、空中では何時《いつ》の間にか、三機、五機、七機と見事な編隊を整《ととの》え、敵の空中目指して突入して行った。
 遥《はる》か後方からは、爆撃機の一隊が、千百メートル、千二百メートルと、だんだん高度を高めて行くのが見えた。厚いフロートのついた大きな飛行艇は、やっと波浪の高い海面から離れ、主力艦の列とすれすれに飛んでいた。
 一秒一秒と、両軍の陣形は、目に見えて著《いちじる》しい変化を示して行った。息づまるような緊張が、兵員たちの胸を、ビシビシと圧しつけて行った。
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