、米国潜水艦隊を警戒すると共に機会さえあれば、敵陣の真唯中へ、魚雷《ぎょらい》を叩きこもうとする気配を示していた。
 艦数に於ては劣っているが、永年全世界の驚異の的である此の「怪物艦隊」は、待ちに待ったる決戦の日を迎え、艦も砲も飛行機も兵員もはちきれるような、元気一杯に見えた。
 旗艦《きかん》陸奥《むつ》の檣頭《しょうとう》高く「戦闘準備」の信号旗に並んで、もう一連《いちれん》の旗が、するすると上って行った。
「うむ」
「おお」
 艦隊の戦士たちは、言葉もなく、潮風《しおかぜ》にヒラヒラとひらめく信号旗の文句を、心の裡《うち》に幾度となく、繰返し読んだ。
「建国二千六百年のわが帝国の存亡《そんぼう》此《こ》の一戦に懸る。各兵員|夫《そ》れ奮闘せよ」
 おお、やろうぜ!
 さア、闘おうぞ!
 大和民族の腕に覚えのほどを見せてやろう。
 一死報国!
 猪口才《ちょこざい》なりメリケン艦隊!
 ――各艦の主砲は、一斉にグングン仰角《ぎょうかく》を上げて行った。
 弾薬庫は開かれ、砲塔の内部には、水兵の背丈ほどある巨弾が、あとからあとへと、ギッシリ鼻面《はなづら》を並べた。
 カタパルトの上
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