真正面から衝突したのであった。地点は、正しく北緯四十度、東経百五十度附近の海上で、青森県を東へ行くこと九百キロのところだった。
 主力の距離は、まだ五万メートルからあって、火蓋を切るところまでは行かなかったけれど、隊形は、米国艦隊が飽くまで南西の進路を固執《こしつ》し、一挙|鹿島灘《かしまなだ》から東京湾を突こうというのに対し、我が日本艦隊は真南から襲い懸って、一艦一機を剰《あま》さず、太平洋の底に送り込もうというのであった。
 航空母艦から飛び出して、敵艦隊の動静を窺《うかが》っていた両軍の偵察機隊が、定石通《じょうせきどお》りぶっつかって行った。真先に火蓋《ひぶた》を切ったのは、米国軍だった。シャボン玉でも吹き出した様《よう》に、パッパッと、真白な機関銃の煙が空中を流れた。わが偵察機は、容易に応射の気配《けはい》もなく、無神経に突入して行った。
 真下《ました》の海上では、米軍の偵察艦隊が漸《ようや》く陣形をかえ、戦闘隊形へ移って行く様子であった。これに対して米軍の駆逐艦隊は可也《かなり》高い波浪《はろう》にひるんだものか、それとも長い航洋に疲れを見せたものか、ずっと側面《そくめん
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