前の覚悟に感心をした。それと共に、年老いたお父さんの御決心にも頭が下るのを覚える。では、お父さん、三ちゃん、行って下さいますか」
「よく判ってくれて、こんなに嬉しいことは無い」老父も流石《さすが》に、感極《かんきわ》まって泣いていた。
「なア、三坊、お祖父さんと一緒に、日本の敵のやってくるのを張番《はりばん》してやろうな」
「ウン、あの磯崎神社《いそざきじんじゃ》の傍《わき》の櫓《やぐら》なら、さっきよく見てきたよ。お祖父ちゃんと一緒に昇れるのなら、僕、嬉しいな。アメリカの飛行機なんか、直ぐ見付けちゃうよ。ねえ、お祖父《じい》さん」
「おお、そうだ、そうだ」
三吉の無邪気な笑いに、一家は喜んだり、泣いたりした。
「真弓、もう時間もないことだ。さァ急いでお前は、東京へ電話をかけるんだ。僕は町長さんのところへ行って、お父さんと三ちゃんの志願のほどを伝えて来よう」
「そう、愚図愚図《ぐずぐず》してられないわねエ」
二人は、弾条仕掛《ばねじか》けのように、立上った。
太平洋の大海戦《だいかいせん》
正確にいうと、昭和十×年五月二十一日の午前十一時五十分日米両艦隊は、いよいよ
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