無いと聞くと、残念で仕方がないのじゃ。そこでわしは考えた。何とかして自分がお役に立つ方法はないものかと。わしは眼こそ見えないが、耳は人一倍に、よく聞こえる。盲目になってから、特によく聞こえるような気持がするのじゃ。だがいくら耳が聞こえるからといって、盲目ではお役に立たない。そこでわしは、相談をするのじゃが、殊《こと》に真弓に考えて貰いたいと思うのじゃが、わしは孫の三吉を連れて監視哨の物見台へ上ろうと思うのだよ」
「ああ、お父さん、そんなこと、いけないわ」
「なあに、わしのことは、心配いらぬよ。こんな身体でお役に立てば死んでも本望《ほんもう》だ。ただ三吉を連れて行くのは、可哀想でもあるけれど、あれは案外平気で、行って呉れるだろうと思う」
「そうだよ。お祖父《じい》ちゃんとなら、どこへでも連れてって貰うよ」無心の三吉が、嬉しそうな声をあげた。
「三吉は、まだ七つだけれど、恐ろしく目のよく利く奴さ。三吉の目と、わしの耳とを一つにすると、一人前《いちにんまえ》の若者よりも、もっといいお役に立つかと思う位だよ」
「三吉は、小さいときから、父親のない不幸な子だ。それを又ここで苦しめるのは、伯父とし
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