》がして、皺《しわ》を伸ばしてみると、果して其処《そこ》には、鉛筆の走り書がしてあった。
[#ここから2字下げ]
「東京警備司令部付、帆村荘六氏へ、次のことを、至急電報して下さい。三三二六九二七五、四三六八、四三二九、四八六九、四三二七、……紅子《べにこ》」
[#ここで字下げ終わり]
「ああ、矢張り紅子さんだったんだ!」
真弓は頓狂《とんきょう》な叫び声をあげて、その小さい紙片を握りしめた。さっき、自動車の幌《ほろ》の裡《うち》に、チラリと見せた片面《かたおも》が、どうも紅子に似ていると思ったが、矢張《やは》りそうだったんだ。
「母アちゃん、紅子さんて、誰?」
「紅子さんて、母アちゃんのお友達なのよ」
真弓は、紅子から帆村へ宛てた、訳のわからぬ暗号めいたものに、自分でも可笑《おか》しいほど、何だかイヤな気がしたが、次の瞬間、そんなものは何処かに吹きとばしていた。
ひょっとすると、帆村の探しているものが紅子の手に入った報《しら》せなのかも知れないと思ったので、紅子の頼みどおり、一時も早く、東京の帆村へ知らせてやらなくてはなるまいと思った。
そこへ兄の浩が、フウフウ云いながら、帰っ
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