って、しずしずと、アクロン号の真上に、あらわれた。そこには、既に、アクロン号を守る敵機の姿も、見えなかった。重爆撃機は、アクロン号の上を、グルリと一とまわりした後、鮮かに、十二個の、爆弾を切って放した。
それは、アクロン号にとって、最後の止《とど》めであった。
百雷の落ちるような響がしたかと思うと、空中の巨船は、一団の、真黄色な煙と化し、やがて、物凄い音響をあげ、全身を、真紅な火焔に包んで、墜落を始めた。空中の怪魚の、断末魔《だんまつま》は、流石《さすが》に豪胆《ごうたん》な帝国の飛行将校も、正視《せいし》するに、たえなかった。或いは、船首を下にし、或いは胴中を二つに歪《ゆが》め、或いは、転々と苦悩し、焔を吹き、怪音をあげ、焼け爛《ただ》れたるアクロン号は、武蔵野平野《むさしのへいや》の、真唯中に、墜落していった。
まことに、哀れなアクロン号の最後だった。
船長リンドボーン大佐以下四十五名の乗組員は、敵国の首都を、完膚《かんぷ》なきまでに爆撃した彼等の武勲を、唯一《ゆいいつ》の慰《なぐさ》めとしてアクロン号と運命を共にした。
だが、本当のことを云うなら、気の毒なことに、リンド
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