だ。「われ等の、戦闘機隊は、何をしているのだ」
「阻塞気球《そさいききゅう》の中へ、引っぱり込まれたらしいです。半数は、気球から垂れている綱に、機体を絡《から》めつけられ、進退の自由を失っているらしいです」
「なに、阻塞気球※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」
「ほら、御覧なさい。あすこに、ヒラヒラしているのがあります」
「おお、――」と大佐は、窓のところに、駈けよった。「あれは、大グランド大尉の、赤鬼号じゃないか」
「や、やッ」モンストン少佐も、探照灯に照し出された、見覚えのある、真紅《まっか》な胴体をもった飛行機を見付けて、のけぞる位に駭《おどろ》いた。「グランド君が、敵の阻塞気球に……」
「航空長、本船を、浦塩《ウラジオ》へ、向けろ」大佐は、皺枯《しわが》れ声で、叫んだ。
「日本の飛行機は、爆弾と同じことだ」
「ああ、日本の軍人は、気が変だッ」
 自分の墜落することを一向気にとめず、猛然と、機体を、爆弾代りに、うちつけて来る日本軍の勇猛さに、大佐は、呆《あき》れてしまった。
 そのとき、空の一角から、立川飛行聯隊の重爆撃隊《じゅうばくげきたい》が、三機|雁行《がんこう》の隊形をと
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