ガラス》で張った窓が、チカチカと、その光芒に、射すくめられた。
高射砲から、撃ちだした砲弾が、美しく、空中で、炸裂《さくれつ》した。そして、その照準は、見る見る正確になり、アクロン号の附近に、集まって来た。
飛行船の胴中《どうなか》からも、重機関銃や、機関砲が、オレンジ色の焔を吐いて、敵機に、いどみかかった。
「ご、ご、ごーン」
と音がして、アクロン号の船体が、グラグラと、揺れた。その途端に、ゴンドラと、すれすれに、日の丸のマークのついた日本軍の飛行機が、激しい火焔に包まれて、どっと下に落ちて行った。
「ジャップの飛行機を、寄せつけるやつがあるものか。危くて仕様がないじゃないか」大佐は、チョッと舌打をした。
その言葉の終らないうちに、又、前よりも一層、激しい動揺が起って、大佐は、スルリと滑りそうになったのを、やっとのことで、窓枠《まどわく》にすがりついて、事なきを得た。
日の丸のマークのついた日本の飛行機が、火焔に包まれて、又、墜落して行った。そのあとから、別な飛行機が、又一台、吠えるような、異様な響をあげて……。
「おい、モンストン」大佐は、たまりかねて爆撃隊長の肩をつかん
前へ
次へ
全224ページ中169ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング