ン号をとりまく偵察機や戦闘機は、行進隊形を解いて、それぞれ、襲撃隊形にうつった。偵察機は、ぐっと、後へ引返して、アクロン号の、両翼と、後方とを守った。戦闘機は更に一千メートルの高度をとり、見る見る、速度を早めて、アクロン号の前方に、進出して行った。
予期した霞ヶ浦の海軍航空隊に属する空軍は、どうしたものか、どの方面からも、襲撃して来なかった。
「船長、ごらんなさい」モンストン少佐が云った。「下に、電車らしいものが、走っていますよ」
「なるほど、スパークも見えるし、ヘッド・ライトも、ぼんやり見えるようだね」
「向うの方には、ボッと、ギンザらしい灯が見えますよ」
「そんなことは無いだろう」
「でも、左手に見えるのがシナガワ湾です。ずっと、海と陸との境界線が見えるでしょう」
「すこし、早く来すぎたような気がする」大佐は、一寸《ちょっと》、首をかしげた。
「いよいよ、大東京の位置が、はっきり判りました。こっちに、ムラヤマ貯水池が、明るく光っています」
「うん。地形は、ちゃんと合っている。爆撃して呉れと、いわぬ許《ばか》りだ。では、モンストン君、兼《か》ねての作戦どおり、思うが儘《まま》に、爆
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