は、いいのだろうな」
「勿論です。二十|噸《トン》の爆弾は、お好《この》みによって、一瞬間の裡《うち》に本船から離してもよろしい」
「ふ、ふ、ふ」大佐は、軽く笑った。
「ですが、船長。大東京の輪廓が、すこし、明るすぎるように思いますが……」
「なアに、わし[#「わし」に傍点]の経験によると、湿気の多い五月の天候では、地上の光が、莫迦《ばか》に輝いてみえるのだよ」
大佐は、長身を折って、机上の東洋大地図の上に、静かに、眼を走らせた。その紙面には、先の世界一周のときに観測したデータが、赤インキで、詳細に、書き入れられてあった。
「航空長、大東京への、距離は?」
「西十一キロ丁度です」
舵器《だき》を執《と》っている航空長は、答えた。
「呀ッ。船長――」観測鏡を握っている爆撃隊長が、叫び声をあげた。
「どうした。モンストン君」
「大東京が、灯火《あかり》を、消したんです」
「やっと気がついたものと見える」大佐は、通信兵と銘《めい》をうった伝声管の前に立って、叫んだ。「戦闘機隊へ通報せい。襲撃陣形をとり、戦闘準備にうつれ」
アクロン号は、大胆にも、三千メートルの高度まで、下降した。アクロ
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