津大尉の声のする方に、道後《どうご》少尉が、懐中電灯を照しつけてみると、なるほど、今までの赭茶《あかちゃ》けた泥土層《でいどそう》は無くなって、濃い水色をした、硬そうな岩層《がんそう》が、冷え冷えと、前途《ぜんと》を遮《さえぎ》っていた。
「こんなところに、鑿岩機《さくがんき》が、抛《ほう》り出してあります」
「こっちの方にも、一台、転《ころ》がっているぞ」
「地盤が、固くなったので、諦《あきら》めて、引上げたのでしょうか」
「それにしては、おかしい。その辺の壁を、叩いてみよう」
泥が、バラバラと、崩れ落ちた。
「おお、これは※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」壁体《へきたい》に、ポカリと、孔が開いた。
懐中電灯を、さし入れて見ると、その孔は上り気味になっている。
草津大尉は、道後少尉を促《うなが》して、尚《なお》も恐れず、前進して行った。
「行《ゆ》き停《どま》りだ」
「押して見ましょう」
ガラガラと音がして、冷《つめた》い風が、スーと入ってきた。
「いよいよ地上へ出たらしい」
「敵の奴、ここから逃げたらしいですね」
「うむ。――あれを見ろ、灯りが、さしているぞ」
「これは、
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