》のように別のみじかい棒が横にわたっていて、もとの三本の直線の棒をしっかりとささえていた。それが「骸骨の二」であったと思う。じぶんは、ふしぎに思ったので、よく見て、いまもわすれないでいるのだ。
そのつぎに「骸骨の三」は前の二つのものよりずっと複雑なものだった。いやにまがりくねった透明《とうめい》の糸みたいなものが走っていて、なんだかクラゲのような形をしていた。
さてそのつぎの「骸骨の四」という仕切りの中を、針目博士が開いて、おどろきの目をみはったのだ。その箱の中には、かんじんの物件《ぶっけん》がはいっていなかった。
“どうしたのだろう。わけがわからない”
と博士が叫んだ。その直後、さっきからじりじりと焦《じ》れていた川内警部が、火のついたような声で叫んだため、なにかそれが刺《し》げきとなったらしく、博士は“危険だ、みなさん外へ出てください”と追い出し、そしてそのあとであの爆発が起こったのだ。してみれば、「骸骨の四」が紛失《ふんしつ》していたことがひとつの手がかりかもしれない。いま、蜂矢探偵が、あのへんな透明な針金細工《はりがねざいく》のようなものを、金属Qの兄弟ではないかとうたが
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