金属人間
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)確率《かくりつ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)針目|逸斎《いっさい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]
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こんな文章
およそ世の中には、人にまだ知られていない、ふしぎなことがずいぶんたくさんあるのだ。
いや、ほんとうは、今の人々に話をして、ふしぎがられる話の方が、ふしぎがられない話よりもずっとずっと多いのだ。それは九十九対一よりも、もっととびはなれた比であろうと思う。
つまり、世の中は、ふしぎなことだらけなのだ。しかし、そう感じないのは、みなさんがたがどこにそんなふしぎなことがあるか知らないからだ。また、じっさいそのふしぎなものに行きあっていても、それがふしぎなものであることに、気がつかない場合が多い。
それからもうひとつ――。
人間の力では、どうにもならないことがある。それは運命ということばで、いいあらわされる。この運命というやつが、じつにふざけた先生である。運命に見こまれてしまうと、お金のない人が大金持になっ
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