にはモレロがゆき、二人はいっしょには行かないことに、だきょうがついた。
 しかしそのあとでも、モレロはこわい顔をして、がなりまわっていた。


   探検隊員出発


 その日の午後二時過ぎになって、シー・タイガ号は第一回の探検に出発した。もちろんこれは伯爵団長がひきいていた。そしてツルガ博士のネリはくわわっていたが、モレロはいなかった。
 二人の水夫も、第一回には参加しないでいいことになった。それから、中国詩人の張子馬も残ることとなった。
 つまり、留守番はモレロ、張、二人の水夫の四名であり、出発したのは玉太郎少年の外《ほか》に伯爵団長、マルタン、ツルガ博士と娘、ケンとダビットの映画撮影班の七人だった。
 玉太郎は、隊長とならんで、先頭に立って密林にはいった。
 やがて歩けなくなったので、玉太郎は先頭になり、そのあとに団長がついた。それからツルガ博士と娘。そのあとにマルタンが護衛のようにしたがった。二人の映画班はいつもおくれがちであったが、これはもちろんとちゅうでしばしば目的物をつかまえて、十六ミリ天然色映画をとるので、そうなるのであった。
 密林の中を行くとき、玉太郎は伯爵団長に、
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