そういわぬうちに、三人の姿はリスのように山の肌をかけており、恐竜の谷へころがるようにいそいでいた。


   恐竜の巣《す》へ


 ここで話を少し前にもどそう。なぜモレロが恐竜と戦っているのかを、読者はきっと知りたいに違いない。
 フランソアとラルサンの二人の水夫はモレロの指揮《しき》にしたがって、丸木舟を作っていたことは読者のすでに承知のとおりだ。
 その丸木舟が出来上ったのは、ちょうど玉太郎の一行が洞穴の横穴をいそいでまわって苦しんでいたころである。
「御苦労、御苦労、さあ、出来上ったら、御苦労ついでに海まではこぶんだ」
「やれやれ、まだ仕事があったんですかい」
「あたり前だ。ジャングルの中じゃ、ボートは進みはしない」
「そりゃそうですが、海に行ってどうするというんです。まさか、これで島から逃れようなんて、いうんじゃないでしょうね」
「だまって、俺のいうとおりをやりゃあいいんだ。つべこべいうと、どてっ腹に風穴《かざあな》をあけるぞ」
「へい、へい、やりますよ、やりますよ、何も海まで運ばないというんじゃありませんやね」
 フランソアもラルサンも親分格のモレロにかかると、まるで赤
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