をもっとも恐れる。だから、汽船のスクリューの音だとか飛行機の爆音なんか大きらいらしい。静かな高い音が、いいらしいね」
 ラウダは自分の経験をすっかり話してくれた。
 そこで思い出させるのはツルガ博士が沼のほとりで、竪琴《たてごと》をぽろんぽろんとしずかにひいているのをじっと聞いていた恐竜のことだ。奴等は音楽が好きらしい。
一行は島のジャングルをぬけて、恐竜の谷の上に出た。
「すばらしい眺めじゃないかケン、どうだこの朝日のかがやいた雄大な景観は、一カット行こうと思うよ」
「いいだろう。下からだんだん上にアップしたまえ」
 ダビットのカメラがジー、ジーと音をたてた。
「上りきったところで、右に移動する。その樹のあたりで、海を入れてカットだ」
 映画監督ケンの指導はなかなかこまかい。
「このあたりで、恐竜君出てくれないかな、わがラウダ君の口笛に合せて、恐竜がレビューでもしてくれると、ニューヨーク劇場で一ヶ年のロングショウになる」
 カメラをおさめながらダビットの、相変らずの冗談口《じょうだんぐち》がつづく。
 博士はどうしているだろう。少女ネリは無事かしら、それから実業家のマルタン氏、みんな
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