軽くはゆかない。危《あやう》く落ちそうになるところを、よこからラウダにひっぱりあげられたのである。
 ケンも張もあがった。ラツールはひどく疲れているからポチと一しょに岩に腰をおろすことになった。
「玉ちゃん、しっかりたのむよ」
「うん、大丈夫だ。僕、よく見てくるよ」
 玉太郎はラツールと握手をすると、身軽に飛びさった。
 甲板《かんぱん》はしっとりとしめっていたが、塵《ちり》一つなく美しく片づいていた。帆はどの帆もすっかり巻きこまれてた。
「この帆は役立つかな」
「大丈夫役立つ、現《げん》に僕はこの帆をはいで、小型のテントを作った」
 ラウダが答えた。
「まず我々は船長の部屋に敬意を表することにしよう。僕が案内する。ついて来たまえ」
 ラウダは、自分の家を案内するように先にたって、階段をおりていった。
 階段はギシギシ音をたてる。ある部分はくさっていたが、それでも足をふみはずしてころげ落ちるという危険はなかった。
「ここが船長室だ」
 ラウダの指さした扉を見て、一同はぞっとした。扉の上に、すでにミイラになった人の首が、短刀《たんとう》に釘《くぎ》づけになってはりついているのだ。
「なん
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